ペットボトル症候群

週刊新潮にコメントした、ペットボトル症候群について、ご要望にお応えしてもう少し詳しく説明します。

熱中症予防のために水分をとるようにと、最近かなり言われています。

もちろんそれはとても大切なことですが、水分のとり方には注意が必要です。

スポーツ飲料や清涼飲料水を飲み過ぎると『ペットボトル症候群』になる危険があります。

『ペットボトル症候群』とは急性の糖尿病の一つで、10代~30代の男性に多いといわれています。

容量が大きいペットボトル入りのスポーツ飲料や清涼飲料水を手にすると、自然に飲む量も多くなります。

ここに〝落とし穴〟が…。

コーラやジュース、缶コーヒーなどは砂糖やブドウ糖、果糖などを約10%含んでいます。

スポーツ飲料でも5―6%の糖分があります。

1.5リットルのペットボトルの炭酸飲料なら角砂糖やスティックシュガー

(3グラム)で50個分入っていることになります。

たとえば、コカ・コーラ  500mlでも  約 50g(角砂糖約16個分)。

甘さ控えめコーヒー     250mlで  約 21g(角砂糖約 7個分)。

ポカリスエット 500ml  で約 30g(角砂糖約10個分)。

CCレモン  500ml  で約50g(角砂糖約16個分)とかなり大量の糖分が。

冷たいと甘みを感じにくいので、驚くほどの糖分が含まれています。

また、その糖分は液状となっており、食べ物と比べると、とても吸収が早いです。

そのため、急激に血糖値(血液中の糖分の濃度)が異常に上昇、さらにのどが渇くため清涼飲料水を多飲して、また血糖が上がり、膵臓(すいぞう)から出るインスリンが効きにくくなったり、インスリンが出なくなったりして急性の糖尿病になるおそれがあります。

夏場などに、糖分を多く含む清涼飲料水や缶コーヒー、スポーツドリンク等を大量に飲むことで、血糖値が急上昇し、最悪の場合、こん睡に陥って救急車で運ばれるケースもあります。

熱中症予防や健康のためと思って、清涼飲料水やスポーツ飲料を習慣的にとっていらっしゃる方も多いと思いますが、それ自体が体に悪いというわけではありませんが、くれぐれも飲み過ぎには注意してくださいね。